脳卒中のサイン(FAST)と、今すぐすべき行動
脳卒中は時間との勝負。すぐに119へ
「Time is Brain(時は脳なり)」。発症から治療開始までの時間が、後遺症の程度を左右します。 FASTのサインが1つでもあればすぐに119に電話してください。
FASTチェック — 脳卒中の4つのサイン
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を早期に疑うための国際的な指標がFASTです。 日本の救急医学会も、市民への啓発に活用しています。
顔のゆがみ・片側が下がる・口角が垂れる
チェック: 「いーっ」と笑ってもらう。左右対称か確認
片腕の脱力・腕が上がらない・片側だけ落ちる
チェック: 両腕を前に伸ばして10秒キープ。片方が下がらないか確認
ろれつが回らない・言葉が出ない・意味不明な発言
チェック: 「太郎が公園で遊んでいます」など話してもらい、不明瞭でないか確認
上記のどれか1つでも当てはまったら
チェック: 発症時刻を確認してすぐに119へ。「いつ症状が出たか」は治療判断に重要
脳卒中とはどんな病気か
脳卒中は脳の血管が詰まる(脳梗塞・一過性脳虚血発作)か、破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで 脳の細胞が障害を受ける病気の総称です。日本人の死因上位を占め、後遺症(半身麻痺・言語障害等)が 残ることも多い深刻な疾患です。
一方で、早期に適切な治療が行われれば後遺症を最小限に抑えられます。脳梗塞に対する血栓溶解療法(tPA)は 発症後の一定時間内に開始する必要があります。だからこそ「時間との戦い」と言われています。
FASTに加えて注意すべき症状
FASTに含まれない症状でも、脳卒中を疑うべき状況があります。
- ●突然の激しい頭痛(今まで経験したことのない最大の頭痛)— くも膜下出血の可能性
- ●突然の視力障害・視野欠損(片目が見えない、視野の一部が欠けるなど)
- ●突然のめまい・ふらつき、特に歩けないほどのもの
- ●突然の嚥下困難(ものが飲み込めない)
- ●突然の意識障害・ぐったり
一過性脳虚血発作(TIA)に注意
FASTのような症状が数分〜数十分で改善してしまうことがあります。 これを「一過性脳虚血発作(TIA)」といいます。 「治ったから大丈夫」ではなく、その後に脳梗塞を起こすリスクが高い状態です。
症状が改善した場合でも、すみやかに救急受診してください。 「良くなったから」と様子を見ることは危険です。